
お子さんの下の歯が上の歯より前に出ている『受け口』、気になりませんか?
「成長とともに自然に治るの?」「いつから治療を始めればいいの?」と、心配されている親御さんも多いのではないでしょうか。
実は受け口(反対咬合)は、見た目の問題だけでなく、放置すると噛み合わせや発音、顎の健やかな成長にも影響を与えてしまう可能性があるため、適切な時期に専門的な対応を検討することが大切です。
この記事では、小児歯科における受け口の原因や放置するリスク、治療を始めるのに適したタイミング、治療方法について、わかりやすく解説します。
記事を読めば、お子さんの受け口に関する疑問や不安が解消され、最適な治療法を見つけるための情報を得ることが可能です。
プルチーノ歯科・矯正歯科 名古屋院では、お子さんの負担を考慮し、プレオルソやインビザライン・ファーストといった『取り外せる装置』を使った受け口治療を積極的に行っております。
無料矯正相談も行っておりますので、受け口などお子さんの歯並びでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
Contents
小児歯科|子どもの受け口とは?(反対咬合の定義)
受け口は「反対咬合」「下顎前突」「しゃくれ」とも呼ばれ、下の歯が上の歯より前に出ている状態です。
上の前歯が内側に傾いている場合や、上顎に対して下顎が大きい、あるいは下顎全体が前に出てしまっている状態をさします。
お子さんの受け口の場合、適切な時期に矯正治療を受けるかどうかで、将来の顔立ちが大きく変わる可能性があります。
子どもの受け口の主な種類
通常、上の前歯が下の歯に2~3mm程度覆いかぶさるのが正常な歯並びです。
一方、受け口とは、下の歯が上の歯よりも前方に位置してしまっている状態のことです。
受け口には以下の2種類があります。
- 成長期の治療で比較的簡単に治る「機能性の受け口」
- 時間をかけたアプローチが鍵となる「骨格性の受け口」
成長期の治療で比較的簡単に治る「機能性の受け口」
機能性の受け口とは、本来奥歯で噛むべきところを、無意識に前歯で噛む癖が原因となり、受け口を招いてしまう状態です。
前歯の傾きに不具合が生じて、噛み込むと、下顎が前歯に誘導されて受け口になってしまう症状も、機能性の受け口です。
食べ物を噛む際などに、まず上下の前歯の先端同士が接触し、そこから下顎が前方に滑り込むように動く傾向が見られます。噛み合わせも深くなる傾向です。
機能性の受け口は、下顎の骨格自体の大きさが原因ではないため、成長期に早期治療を開始し、上の前歯の傾きを適切に改善することで、比較的簡単に治るケースが多いです。
時間をかけたアプローチが鍵となる「骨格性の受け口」
骨格性の受け口とは、下顎の骨格が上顎に比べて大きい受け口です。
上顎の成長不足、あるいは逆に下顎の過成長といった、顎の骨格的な問題によって引き起こされる受け口のタイプとなります。
遺伝的要因の場合が多く、上下の前歯は当たりませんし、噛み合わせも浅いのが特徴です。
骨格性の受け口の場合、成長発育に合わせて、上顎の骨が前方へ成長するよう矯正治療を行います。
矯正治療が済んだ後も、定期観察が不可欠です。
なぜ?子どもの受け口の主な原因
受け口には先天性と後天性の2つの原因があります。
先天性とは遺伝的素因など生まれ持った要因をさし、後天性とは出生後の生活環境や癖などの影響による要因のことです。
遺伝的要因(骨格の影響)
受け口の多くは、遺伝的な要因で起こるとされています。
親御さんが受け口の場合、遺伝的影響によりお子さんも受け口になる傾向があります。
受け口が直接遺伝するのではなく、受け口を誘発しやすい歯や顎の大きさ、骨格といった特徴が遺伝するため、結果的に受け口になる可能性が高まるのです。
親御さんが受け口の場合、お子さんの歯並びや噛み合わせの状態を注意深く観察してみてください。
後天的要因
お子さんの受け口は、生まれつきの骨格だけでなく、日々の習慣や環境といった後天的な要因も大きく関わっているのが特徴です。
指しゃぶりや爪噛み、舌で下の前歯を押す癖などは、歯並びを乱したり下顎を不適切に前へ誘導したりして、受け口を引き起こす可能性があります。
アレルギー性鼻炎などによる鼻詰まりで口呼吸が習慣になると、舌の位置が下がりやすく、上顎の正常な成長を妨げ、下顎が相対的に前に出やすくなります。
うつぶせ寝のような生活習慣や、乳歯の虫歯を放置したり早くに失ったりすることも、顎の成長や噛み合わせのバランスを崩す一因です。
後天的な要因は、お子さんの健やかな顎の成長に影響を与える可能性があるため、気になる癖や兆候が見られたら、早めに歯科医師に相談するのがおすすめです。
放置はNG?受け口をそのままにしておくリスク・デメリット
受け口をそのままにしておくと、以下のリスクを高めます。
- 見た目への影響(コンプレックス)
- 発音への影響(サ行、タ行などが言いにくい)
- そしゃく機能への影響(食べにくい、消化不良)
- 将来的な外科手術の可能性
見た目への影響(コンプレックス)
お子さんの受け口は、放置しても自然に改善することはほとんどありません。
多くの場合、成長とともに受け口の特徴がより顕著になっていきます。
思春期を迎える頃には下顎が急激に成長するため、それまで軽度だった受け口も目立つようになりがちです。
遺伝的に下顎が大きい、あるいは前方に位置しているといった骨格的な要因が強い場合、顔立ちにも受け口の特徴が現れやすくなります。
ご両親やご親戚に受け口の方がいる場合、お子さんも似た顔つきになり、受け口が目立つ可能性は高まります。
たとえ初めは軽症の受け口であっても、適切な治療を受けずに放置していると、顎の骨の成長バランスが崩れ、より重度の「骨格性」の受け口へと移行してしまう可能性もあるため注意が必要です。
発音への影響(サ行、タ行などが言いにくい)
受け口になると、サ行やタ行の発音がしにくくなります。
そしゃく機能への影響(食べにくい、消化不良)
受け口の状態では、上下の前歯が正常に噛み合わないため、食べ物を前歯でうまく噛み切ることが難しくなります。
奥歯の噛み合わせにもズレが生じている場合が多く、食べ物を効率よくすり潰すのが困難です。
特定の食材が食べにくく感じたり、食事に時間がかかったりする場合もあります。
十分に噛み砕けないまま食べ物を飲み込んでしまうと、胃腸への負担が増え、消化不良や栄養吸収の妨げにつながる可能性も指摘されています。
将来的な外科手術の可能性
骨格性の受け口を放置すると、成長に伴い顎のズレが悪化・固定化することがあります。
骨の成長発育が完了した後では、歯の移動だけを行う矯正治療しかできないため、骨格の問題を根本的に解決できません。
重度の受け口を改善するには、顎の骨を切って位置を修正する外科手術(顎矯正手術)が必要になる可能性があります。
受け口は早期に治療が必要な歯並びです
子どもの歯の矯正をいつ始めるか、迷われる親御さんは多いと思います。
一般的には、上下の前歯が4本ずつ永久歯に生え変わる7歳から8歳頃が、矯正治療を検討し始める一つの目安です。
ただし「受け口」の場合は、少し事情が異なります。
受け口は、放置すると食べ物をうまく噛めなかったり、顎を前に出す癖がついてさらに悪化したりする可能性があります。
上顎の成長を促すような「骨格性の受け口」の治療法は、成長期でなければ効果が得られにくい場合があるため注意が必要です。
受け口のお子さんについては、一般的な開始時期(7〜8歳頃)よりも早く、就学前などから歯科医師に相談し、適切な治療開始タイミングを見極めることが重要になります。
お子さんの受け口が気になる場合は、お早めにご相談ください。
子どもの受け口の治療法
プルチーノ歯科・矯正歯科 名古屋院の小児歯科では、以下の「取り外せる装置」を使った受け口の治療を行っています。
- プレオルソ
- インビザライン・ファースト
簡単に取り外せるため、受け口の治療中も、今ままでどおりに食事や歯磨きをしていただけます。
プレオルソ
プレオルソは、主に3歳から10歳くらいのお子さんを対象とした、取り外し可能なマウスピース型の矯正装置です。
既製の装置をお子さんのお口に合わせて調整して使います。
プレオルソの大きな特徴は、お口周りの筋肉のバランスを整えたり、舌を正しい位置に導いたり、口呼吸を鼻呼吸に改善したりする「機能的なアプローチ」を重視している点です。
受け口の場合、プレオルソを装着することで、下顎を前に出す筋肉の力を抑えたり、舌を上顎につけるよう誘導したりします。
下顎の前方への成長を抑制し、上顎の健やかな成長を促す効果が期待できます。
装着時間は主に夜寝ている間と、日中1〜2時間程度なので、学校に付けて行く必要はありません。
お口の機能を改善しながら、受け口の原因に根本的にアプローチする方法と言えます。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、主に6歳から10歳くらいの、乳歯と永久歯が混在する時期(混合歯列期)のお子さんを対象とした、オーダーメイドの透明なマウスピース型矯正装置です。
コンピューターシミュレーションにもとづき作製された複数のマウスピースを段階的に交換していくことで、歯並びや噛み合わせを改善します。
受け口治療においては、下の前歯を後ろに移動させたり、上の前歯を前に出したりして、上下の歯の前後的な位置関係を改善します。
必要に応じて歯列の幅を広げる(側方拡大)ことで、顎のスペースを確保し、歯が並ぶ土台を整えることも可能です。
1日20時間以上の装着が必要ですが、透明で目立ちにくく、食事や歯磨きの際には取り外せるメリットがあります。
プレオルソに比べ、より精密に歯の位置をコントロールするのに適した方法となります。
子どもの受け口治療にかかる費用
子どもの受け口治療にかかる期間は、数か月~3年程度です。
治療費用は、550,000円(税込)~990,000円(税込)程度です。
別途、矯正治療を行うための検査に66,000円(税込)の費用がかかります。
受け口の治療期間や費用は、個々の症状や目指す歯並びによって異なりますので、まずは「無料矯正相談」でお話を伺えますと幸いです。
※2025年5月時点での料金です。変更になる場合もあるため、詳しくはお問い合わせください。
お子さんの受け口でお悩みの方は、当院の「無料矯正相談」でご相談ください
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お子さんの受け口について「このままで大丈夫?」「どんな治療が必要?」といった疑問や不安をお持ちでしたら、プルチーノ歯科・矯正歯科 名古屋院の「無料矯正相談」をご利用ください。
当院の無料矯正相談は、「初診料」「カウンセリング料」だけでなく、最新の「歯並びシミュレーション」まですべて無料です。
歯並びシミュレーションでは、受け口治療でお子さんの歯並びがどのように改善されるのか、治療前後のイメージ(ビフォー・アフター)をリアルな画像で具体的にご確認いただけます。
実際に受け口の治療を受けるかどうかは「無料矯正相談」の後にゆっくりご検討いただけますので、ご安心ください。