小児のための歯科クリニック、小児歯科の歯医者さんが教える「安全で痛くない麻酔や痛みの少ない子供の歯科矯正治療」について
25.05.08

歯科治療で痛みを感じる治療とは
歯科医院での治療に「怖い」「痛い」という苦手なイメージをもっていて歯医者が嫌いな人は多いのではないでしょうか。確かに薬を飲んで治すなどの間接的な治療が多い内科などとは違い、歯科は歯を削ったり親知らずの抜歯、インプラント治療をする口腔外科などの直接的な治療が多く恐怖心を持ちやすいのも他の科の治療とは違う特徴です。
歯科治療で痛みを感じやすい理由
歯科には直接的な治療が多いというのも痛みを感じやすい理由の一つですが、歯の役割にも他の器官よりも痛くなりやすい理由があります。
口は、食べ物を中に入れると歯や舌を使って食べ物を噛み砕いたりすり潰したりしながら唾液と混ぜて、体に栄養を取り込みやすいように食塊(しょっかい)を作ります。そして、その食塊を喉まで運んで飲み込ませるまでが、口が食べ物から栄養を取り込むための働き(摂食(せっしょく)・嚥下(えんげ))です。
また、空気を体に取り込んで二酸化炭素を吐き出す「呼吸」や、人に伝達するために言葉を正確に発音するのも、口の中の器官が大きく関わっています。
このように、口は体の健康を維持したり、人とコミュニケーションをとる為に非常に大きな役割を持つ器官なのです。
そのため、口の中の異常に素早く気づけるように、口の中は痛みなどの何かの異変にとても敏感になっているのです。
また、小さなお子さんの場合は歯科医院の中の雰囲気や歯医者さんやスタッフのマスク姿等で緊張して、さらに痛みなどに敏感になってしまうこともよくあります。小さな子どもさんの治療の場合は、初めて来院した時の歯科医院に対して安心して治療が受けられたという体験が非常に重要です。予防歯科治療のために来院しながら歯科医院に慣れるのも緊張感なしの状態で治療を受けれるようになるために、おすすめな方法です。
痛みの少ない歯科治療
歯科クリニックでは、患者さんが治療途中に痛みをあまり感じないように様々な対策をしています。
例えば、治療が始まるまで待機する待合室には、患者さんの緊張をほぐすためのアロマディフューザーなどリラックス効果を促進する装置を設置したり、子どもさんがリラックスしてより良い状態で待てるように小児歯科には治療台でもアニメの動画が流れたり絵本の置いてあるキッズスペースがあるなどの対応をしている場合などもあります。
また治療室に関しても、歯科診療時の痛みを軽減するために様々な配慮や工夫がされています。
痛くない麻酔
歯の中には歯髄という刺激を痛みとして感じる神経があります。歯髄の上には象牙質、さらにその上をエナメル質が覆っています。むし歯や歯周病が進行すると、エナメル質が溶けて刺激が象牙質に伝わります。象牙質には象牙細管(ぞうげさいかん)という細い管が通っていて、そこに刺激が伝わると歯髄から痛みを感じるのです。
その場合、歯の感覚を麻痺させて、痛みを感じにくくする処置を行います。これが局所麻酔です。
麻酔は治療を始める前に歯の根元や歯茎から薬剤を注入することで麻痺を起こしますが、注入する場合は注射針を歯肉や歯に刺す必要があります。
針が刺さる痛みを感じにくくするため、歯科では表面麻酔を針を刺す場所に塗布したり、麻酔を注入する注射針を細いものにするなどの工夫をしています。最近では小さな注射針から薬剤を入れる速度をコントロールしてゆっくり注入することで痛みを抑えることができる電動の麻酔注射器なども使われています。
痛くない歯科矯正治療
歯科矯正治療は、歯並びを綺麗に整えたり、顎などの位置などを整えることで、かみ合わせのずれ(不正咬合)や顎の痛み(顎関節症)を改善するなどの機能的改善と、外見の見た目をキレイに整えるための審美的改善を目的に行われる治療です。
乳歯(子供の歯)が永久歯(大人の歯)に6歳ごろから生えてきてほとんどが生え変わる時期まで(混合歯列期)の15歳頃に治療を始めることが多いですが、顎骨などの成長状況や乳歯の歯並びなどから矯正歯科専門の歯科医師が予防歯科の観点から治療が必要と判断された場合、乳歯の時期から治療を行うケースもあります。
また成長途中の早い時期から治療を始めることで、顎骨や筋肉の成長に合わせて治療を進めることができるので、治療期間を短縮したり痛みを少なく抑えることができる場合が多くあります。
矯正治療で痛みを感じる時とは
矯正歯科治療は、顎骨などの骨格や筋肉の成長や位置などを調整して行う治療と、歯並びを整えるための歯列矯正治療があります。
今回のブログでは、歯列矯正で痛みを伴う理由を解説します。
歯列矯正は、歯や歯の周りの組織に力を加えることで、少しずつ歯を動かしていきます。すでに生えている位置から歯を動かすためには、外部から力をかける必要がありますが、この時に急激に歯に力をかけてしまう状態が続くと痛みが出てしまうことがあります。
ワイヤー矯正治療法
歯列矯正によく使われるワイヤー矯正治療法では、歯の表面に接着したブランケットという装置にワイヤーやゴムをかけて、歯に力をかけて動かしていく治療方法です。ワイヤーやゴムのけん引力は強いため、無理に歯に力を強くかけてしまうと歯に大きな負担をかけてしまうことがあります。このような事から、矯正歯科治療に伴う痛みが発生してしまう場合があります。
またワイヤー矯正治療法で使用する装置は、耐久性を保つために多くの場合金属などの硬い素材でできています。その場合、矯正装置の尖った部位などが舌や口の粘膜に当たってしまい、痛みがでてしまうことがあります。
さらに、ワイヤー矯正治療法の装置は歯科医院で定期的に歯のメンテナンスなどを行う検診時に調整するため、患者さんは自分で装置を取り外すことはできません。
そのため、装置が当たって痛みが出てしまっていて装着を続けるのが難しい状況でも次の検診まで取り外すことができず、傷が大きくなってしまうことがあります。
ワイヤー矯正治療法は食事や歯磨きをする際にも装着したままなので食物残渣(食べかす)や歯垢が歯に残りやすく、虫歯や歯周病が起こりやすくなるため、それがまた痛みの原因になってしまうことがあります。
矯正歯科治療は歯や顎などを動かしていくことが多いため、人によってはどうしても痛みを感じてしまうことがあります。また、装置を装着する違和感や不快感に耐えられず装置を舌で触るのが習慣になってしまったりすることで、舌を傷つけたり装着している装置がずれて粘膜などに当たってしまった場合に、痛みが出てしまう可能性もあります。
痛みの少ない歯科矯正治療法とは
では、痛みの少ない歯科矯正治療はないのでしょうか?
それらの問題を解決してくれる矯正治療法をご紹介します。
マウスピース矯正治療法
マウスピース矯正治療法では、患者さんの口から採取した歯型を基に作ったマウスピースを利用して歯の位置や向きを改善します。。
マウスピースは形状記憶の柔らかい素材でできていて、歯科医師に指示された一日の装着時間のみ装着し、歯科医師に指示されたタイミングで新しいマウスピースに交換することで、歯を動かしていきます。
ワイヤー矯正治療法に比べると歯にかける圧力は弱いので、部分的な移動や歯の向きを変えるなどに用いられます。
マウスピース矯正は、柔らかい素材であまり強い力をかけずに治療をするという特性から、治療中に歯や顎の痛みを予防したり、口腔内を傷つけたりするリスクを軽減することが可能であるというメリットがあります。
このことから、マウスピース矯正ならば「痛みの少ない歯科矯正治療」を受けることができるといえるでしょう。
さらに、マウスピース矯正の治療中や治療後にマウスピースを使ってホワイトニング治療に使える場合もあります。
愛知県名古屋市にあるプルチーノ歯科・矯正歯科では、3Dスキャナーを使って患者さんのお口の中の情報を取得し、その情報をもとにマウスピースを作製する「インビザライン・システム」を導入しています。
従来のマウスピース矯正治療の利点を生かしながら、さらに正確に患者さんのお口の中を把握してより精密なマウスピースを作れることで、患者さんの痛みや不安などを軽減して口の中の痛みから守ると同時に、安心した治療を受けていただくことができます。
子どもさんの矯正治療を対象とした「インビザライン・ファースト」も行っているので、お子様から大人まで痛みの少なく効率的なマウスピース矯正「インビザライン矯正」を提供しています。
プルチーノ歯科・矯正歯科では、矯正治療や治療に必要な料金に関する無料相談をお電話かホームページからweb予約で受け付けています。院長をはじめとしたインビザライン・システムに関する十分な知識と技術・経験を持っていると認められたインビザドクターが、事前に患者さんのお口の中の悩みや疑問をお聞きしながらカウンセリングしたのち、患者さんの状態を理解したうえで最適な治療計画をご提案します。サイトから来院予約は土日祝日でも24時間いつでも受け付けておりますので、ご興味のある方はぜひ気軽にアクセスしてご利用ください。
この記事を参考に、安心して通える歯科医院で痛くない歯科治療を体験していただければ幸いです。